バレエの呼吸法とは?|ノアバレエスクール

465367_s.jpg


-はじめに


人は生きる中で、必ず行わなければいけないのが、呼吸です。
当たり前に自然に行っている動作も、行う動作によって、最適な呼吸法があります。
今回は、バレエにとって大切な呼吸の仕方、方法をご紹介します。


■ 腹式呼吸?胸式呼吸?バレエの呼吸法とは


バレエにおける呼吸法は「胸式呼吸に少し近い横隔膜呼吸」です。


■ 呼吸の大切さ


呼吸とは何ですか?となるとまず第一に「酸素の出し入れ」と考えるでしょう。息を大きく吸えば、肺と肋骨をはじめ、身体が膨らんでいく感覚です。そして吐けば元に戻っていく。
身体のどこかが上がったり下がったり、伸びたり縮んだり、出たり入ったりのような「往復する動き」を感じることができるのが呼吸となります。
身体に意識を向ける、動きを感じるということを、呼吸なくしてはなかなか難しいのではないでしょうか。
空気の流れを背骨の動きに流れを作りましょう。
バレエを踊る上で呼吸方は「美しく踊る為には物凄く大事な要素」だと言う事は、皆さんは理解していると思います。
筋肉達を呼吸でコントロールする事で、美しく滑らかに、そしてダイナミックに踊る事ができます。
口から吸って鼻から出すなど、舞台で踊る人には当たり前の呼吸方。
舞台上で大口を開けて『ゼーハーゼーハー』していては美しくないですからね。
日々のレッスンでも、この「呼吸」を気にして練習して欲しいと思います。これもトレーニングで出来るようになってきます。
また、仙骨を意識する呼吸法が、バレエには大切になってきます。


■ プリエのときの呼吸タイミング


まず息を鼻から吸って背中を上に引っ張ります。
それに連動して肩甲骨・ひじが動いて吸った息のエネルギーが手のひらまで行ったら股関節・ひざ・足首をゆるめはじめます。かかとに坐骨が近づいていくのを感じながら背骨の下のほうから緩めていくと息自然にゆっくりと吐くことができます。
かかとが床からはがれ坐骨がかかとに乗ります。このとき足の指のはらで身体を支えています。


乗ったときのわずかな筋肉の弾力を腿の裏とひざ下の裏に感じたら、その弾力を背骨の上まで伝え、すかさずかかとを床に着けましょう。
かかとが床に着いたところから息をゆっくり吸い始め、上半身の重さを支える骨盤を垂直に上げていきます。
骨盤は重力に抵抗するようにしながら地球の中心に向かって上半身からの重さを落としていき、背骨は骨盤の上に一つ一つ積み重ねられていくようにして一番重い頭蓋骨を持ち上げていきます。
首と頭の付け根まで息が届いたあたりでちょうどひざも伸びているはずです。


呼吸は背骨を中心とした動きのきっかけとして
とっても大事です。
止まらない呼吸のコントロールによって生まれる動きは流れるような動きにつながり、流れるような動きのエネルギーは自分らしい表現の発見へとつながっていきます。


■ お腹をへこませたまま呼吸をするコツ


 1.まず、息を吐き切ります。
 2.息を吸います。この時、お腹に力をいれてへこませて(引っ込めて)ください。お腹の上部(みぞおち)をへこませるイメージです。
 3.息を吐きます。この時、お腹の上部(みぞおち)をへこませたまま、締めるように力を入れてください。そして上腹部に入れた力を下腹部に落とすイメージで、下腹部を膨らませます。それが分かりにくければ、下腹部を両手で押さえてその手を押し返すイメージです。


 この方法だと、たぶん世間一般に言われている逆腹式呼吸とは違う部分があると思います。その違う部分が「ちょっとした〝コツ〟」になります。それがどこか分かりますか?
 そうです。息を吐くときに「お腹の上部(みぞおち)をへこませたまま、締めるように力を入れてください。」という部分です。
 ここで呼吸について簡単に復習しましょう。前回の記事の中で『吸気は筋肉の収縮によって胸郭を広げますが、呼気は筋肉の弛緩によるものなので肺の弾性のみで行われ通常は筋力を必要としません。』と書きました。
 この時、吸気(吸う)時に起こる胸郭(肺のある空間)が広がる現象は、横隔膜と外肋間筋(肋骨の間にある筋肉)の収縮の収縮によって起こります。これによって肺が膨らみ空気を吸い込みます。


 そして呼気(吐く)時は横隔膜と外肋間筋(肋骨の間にある筋肉)が弛緩することで胸郭が狭くなりますが、この時に膨らんだ肺は元の大きさに戻ります。それは空間が狭くなるからというよりも、肺のもつ弾性(伸び縮みする力)によって元の大きさに戻ります。すると肺の大きさが小さくなり、中の空気(主に二酸化炭素)が吐き出されます。
 だから普通に呼吸をしていて息を吐く時には筋力を必要としません。
 つまり、逆腹式呼吸であっても呼気(吐く)時に「力を入れる」必要はないのです。実際、逆腹式呼吸のやり方を調べても「吸うときにお腹をへこませて、吐くときにお腹を膨らませる」と説明している所が多いと思います。
 けんびきやでは最後に「下腹部を膨らませる」とは言ってますが、腹筋そのものには力を入れてもらうように指導しているので目に見えて大きく膨らむということはありません。


-終わりに


呼吸とはいえ、いろんなやり方、最適な方法があります。
バレエももちろん、動きによって呼吸法を変える必要があります。
なにげなく無意識にしている呼吸も、意識するだけで、落ち着いたり
健康につながります。
この機会に皆様も呼吸を少しでも意識してみてはいかがでしょうか。